過去の質問と回答 No.6

【質問・疑問】

アメリカに在住しているものです。こちらにある素材で、ろうけつ染に挑戦したいのですが、簡単な染め方を教えて頂きたいのです。どのような手順を踏めば良いですか?蝋は、特別なものでないと、いけませんか?狭いスペースでもできますか?

【回答】

[材料]

蝋の種類は「パラフィン」が使いやすいと思います。そして染料は使う素材によって変わってきますので、染色材料屋さんで相談した方が良いと思います。絹と綿とでは使う染料が違うのです。それに模様を描くための筆。地染めをするための刷毛。それとロウを溶かすためのカップに電熱器等。それにロウを落とすための揮発溶剤。基本的にはこのぐらいでしょうか。

[染め方]

(1)まずロウを溶かします。温度の目安はロウから薄く白い煙が上がるぐらいです。この温度まで上げると素手で蝋を触ると火傷しますので、取り扱いには気をつけて下さい。それに、さらに火を付けたままですと温度が上がりすぎて自然着火の可能性もあるので取り扱いには十分に注意して下さい。

(2)次に溶けたロウを筆等に含ませ、生地に模様を描きます。

(3)生地の上に置いたロウが乾いたら、次は地染めです。染め方は色々ありますが、お薦めするのは付け染めではなく、刷毛などでの引き染めのほうが綺麗に染まると思います。

(4)そして染料が乾いたら新聞紙などを使い、熱くしたアイロンで生地の上に付いたロウを紙に軽く吸い取らせます。その後に蒸しをして染料を定着させ、つぎにロウを落とすのですが、ロウは水洗では取れませんので揮発油(パークレンやゴム揮・ホワイトガソリン等々)などで洗い流して下さい。ただ、お湯のなかで落とすことも出来るのですが、完全にロウを落とすのなら揮発溶剤を使用した方が良いと思います。

それと蝋は「パラフィン蝋」でなくても、蝋燭なんかでも使えると思います。ただしその場合は色が付いてない蝋をお使い下さい。それからスペースの問題は小さい作品(ハンカチなど)をお作りになるなら普通の机サイズのスペースがあれば大丈夫でしょうし、大きな物をお作りになるには素材にあったスペースは必要かと思います。以上基本的な蝋纈染めの作業ですけど、おわかりになられましたでしょうか?わかりやすいのは図解入りの蝋纈染めの本とか出てますので、まずはそちらを参照にして作ってみて、それで上手くいかない点や疑問点などを具体的に質問して頂くのがうちとしてはお答えしやすいかと思います。


【質問・疑問】

初めてまき糊をやってみたのですが、手順などよく分かりません。地入れをした後、濡れた状態で糊をまいてそのまま乾燥させて良いのですか?ちゃんとくい付いているか心配です…。糊をまいてから引染めをして、まいた糊は動かないのですか?

【回答】

手順自体は間違ってないと思います。地入れ→糊を蒔く→引き染め。この工程がすべて上手くいってれば、ちゃんと生地に糊が食いつきますし、ひき染めをしても糊はほとんど動きません。ただ難しいのは地入れの濃度、その薪糊に適した物でないとダメなので、その調整具合や地入れを乾かす時間等を調整しながらしなければなりません。もちろん、糊の状態によって違ってきますので、その地入れ液の具合をこのメールでお答えするのは非情に難しいです。糊をご自分で作られたのか、買われた糊なのか、ましてやどこで買われた糊なのかも分からない状態ではお答えできないのが現状です。


【質問・疑問】

漁旗の生地で服を作りたいのですが、洗ったところ色が落ちることがわかりました。生地を組み合わせて使おうと思っているので、作った後の色落ちが心配です。どのように色止めしたらよいか教えてください。よろしくお願いいたします。

【回答】

大漁旗がどのような素材でどのような染料を使ってるかが不明なので、推測でお答えしますね。普通の化学染料の色止めは蒸し&染料定着材(接着剤)などで色止めをしてます。考えるに、染料を止める接着剤不足な気がしますが、あとからの加工では止めるのは大変難しいと思います。簡単な色止めとしては、酢酸を水に薄めその中に素材を付けるという方法が有りますが、あまりにも色が止まらない場合は効き目は薄いかと…。あとは、色を落とすだけ落とすしかない気がします。もし、もっと詳しく対処の仕方をお知りになりたい場合は、現物を見なければお答えできないと思ってますので、お近くなら工房へいらしてください。


【質問・疑問】

家庭でできる簡単な色止めの方法があったら教えて下さい。素材は綿で色はえんじ。端切れをぬるま湯につけたところ、かなり色が出たので・・。

【回答】

家庭で出来る簡単な色止めを…まず、どのような染料をお使いなのかが不明なので、化学染料を使ってると仮定しますね。ご存じの通り化学染料の場合は蒸しをして色止めをしなければなりません。普通は高温の蒸気のなかに30分~1時間ぐらいはかけるのですが、そのような設備が無い場合は簡易蒸し器などを使って蒸したらどうでしょうか?もしそれも無い場合はスチームアイロンなどを使ってみるのも良いかもしれませんね。焦げないようにゆっくりとむら無くかけてみて下さい。それとぬるま湯につけたとありますが、温度が高いと余計に染料が流れ出してしまいますので、温度は低めの方が良い気がします。それから酢酸も色止めの効果がありますので、水洗の時に適量を水の中に入れて、それに生地をつけると色止めにもなります。


【質問・疑問】

今外国に来ていて絞り染めや、型染めをしてのれんを作って売っていただいたりしてるのですが、今度教室を1日開いてほしいと、ろうけつ染めも加えてといって下さってるのですが、蝋を落とすのにどんな薬品を使ったか全く憶えていなくて、今回よろしかったら助けていただきたいのですが、製作手順などのWebなどもしご存知でしたら教えていただけたらありがたいです。突然ぶしつけなお願いですいません。よろしくお願いします。

【回答】

ロウを落とすには揮発系溶剤が必要です。国内でしたら、染色材料店などでパークレンという揮発系溶剤が手に入ると思いますが、たぶん国外発送はしてないかと…あとはゴム揮やホワイトガソリンなどでも代用はききます。ただ後者の方は大変引火性が強いので取り扱いには注意してください。それと制作手順をWeb上で公開は考慮はしてるのですがなかなか時間が作れなくて…と言い訳してますが(笑。前向きに考えておきますね。そうそう、熱湯で落とせるロウも京都の染色材料店等で扱っていたような気がするのですが、もしそう言った材料に興味をお持ちなら直接染色材料店にご確認下さい。


【質問・疑問】

最近染めたものの一つにログウッドの綿のハンカチがあります。アルミ媒染をして日に干しましたところ、竿にかけた一番上の所が薄く色落ちしていました。錫媒染の方は大丈夫だったのですが、どうしてでしょう?

それと綿のハンカチは日常的に使う物で洗濯もよくすると思うのですが、堅牢度の強い染材はどんなものがあるでしょうか?

【回答】

まず当工房では染料は基本的には化学染料を使用してますので、植物染料は詳しく無いのですが、わかる範囲でお答えします。

(1)綿のハンカチを染めたところ色落ちしたとのことですが、考えられることは、日光よる色の変色。錫媒染よりアルミ媒染の方が、耐光堅牢度が弱いという事ではないでしょうか?もしくは竿に不純物が付いてたために変色した可能性もあります。色落ちを防ぐには直射日光にあまり当て無いという事が必要かもしれませんね。着物等も直射日光や蛍光灯等の室内の光でも色焼けが発生しますし、気を付けたほうがよいかもしれません。

(2)堅牢度の強い染料とは。お勧めするのは化学染料なのですが、植物染料の中でと言うことでしたら、藍、ヤシャブシ、アカネ、ザクロ、クルミ、コガネバナ、ソヨゴ、ゴバイシ、ウメ、タマネギ、 ピラカンサ、ビワ、ガマズミ、ウコン、マリ-ゴ-ルド、クチナシ、(先に記述してあるもの程良いが、染め方、後処理等の条件で堅牢度は変わる) と某植物染料図解本に載ってます。

 

東京手描友禅工房 協美
https://yu-zen.net/