【質問・疑問】


引き染め、色はけ、目引きというのはどのようなことでしょうか?そして、もう1点技法について・・・。まき糊、糸目糊、ゴム糊、伏糊、うつし糊とはどのような技法のことなのでしょうか?(女性・30代)

【回答】


[引き染め]・・・・これは地染めの技法の一種で、生地を張り場に張って刷毛で染める技法です。地染めには、その他「浸染・その他」色々な技法があります。

[色はけ]・・・・地染め等をした後に、ムラになった部分や色が合わない部分(上前身頃と下前身頃等が)を「色はけ」がある、または「色はき」がある、と言うような使い方をします。要するに、地染めが上手く行かない時に使う言葉ですね。で、技法の一種ではありません。

[目引き]・・・・「目返し」とも言うんですけど、染め上がった物(友禅等も)を模様を伏せないで「引き染め」等をする事を言います。例えばお母さまが着ていた訪問着等の色が今の雰囲気にあわない時、全体をジミにしたい時に「目引き」をすれば、前よりかない落ち着いた物になります。

[まき糊]・・・・これは、もち糊を竹の葉などに薄く塗り、それを乾かし、そして細かく砕いた物を、引き染めや友禅の前に生地にパラパラと蒔いてから染める技法です。 染める前に蒔く事によって、染めた後に蒔いた糊の後が色に染まらずに残り、そこがとても綺麗に見えます。ちょっと説明がむずかしいかなぁ・・・、そうそう「蒔糊」で有名なのが、人間国宝の森口氏です。その作品の地色の部分に細かい点々がまき糊の後です。機会があったら見てみて下さいね。

[糸目糊]・・・・これは友禅の時に使う技法の「糸目」に使う糊です。糸目とは友禅の模様の輪郭に細い白い線がありますよね、これを「糸目」といいます。この線を書くのに使う糊です。その種類にもち糊やゴム糊等があります。

[ゴム糊]・・・・使い方は上に記してあります。昔はほとんどの工房で「もち糊」を使ってたみたいですけど、近代になってゴムを使うようになりました。今でも、もち糊を使って制作する工房もありますが、かなりの工房でゴム糊を使ってる所が多いのではないでしょうか(あくまでも推測)?理由はゴムのほうが作業や扱いが簡単ですし、綺麗に上がりやすいからでしょうかね・・・?。

[伏糊]・・・・模様を伏せる時に使う糊です。こちらも最近では化学糊を使う事が多いですね。

[うつし糊]・・・・これは糸目糊等に染料を混ぜて使う糊です。そうすると、糊を使った部分に混ぜた色が生地に移されます。例えば、糸目を白じゃなく、他の色にしたい時などに使います。訪問着等の友禅などの糸目がねずみ色やクリーム色になってる物が、うつし糊を使ったものです。


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